お笑い芸人の活躍の場は拡大している

娯楽の多様化が進むことでエンターテイメントも様々な方向にその足を伸ばしてきました。それまでとは異なるニーズに対応するためにエンターテイメントを提供する側の在り方も変わってきています。
かつてはネタ番組で最も多くの芸人の姿を見て、練りに練られたコントや漫才、モノマネなどのネタを見ることが多かったものです。しかし、いつのまにかネタ番組は廃れ、トーク番組が全盛となり比較的決まった上手な芸人さんが日々画面に登場しています。お笑いの主軸はネタからトークへと移り変わっていったような感想を懐きます。
ネットテレビが全盛を迎えている現代日本、流行の発信源はもはやテレビ番組ではなくSNSなどのソーシャルなコミュニケーションツールに移り変わっていくからなのでしょう。面白いフレーズよりインパクトのあるトークのほうが時代に好まれているということが理由と思えば納得がいきます。
しかし、大々的に放送する豪華なネタ番組が無くなったからと言っても芸人さんたちの活躍の場が失われたわけではありません。ネットテレビや動画サイトの個人チャンネルなどに活躍の場を移し、気になった芸人さんの姿を見られるように視聴者の側に選択肢が生まれたことが新しいエンターテイメントの在り方です。ネット環境さえ整っていればお気に入りの出演者のネタを心行くまで楽しめる自由さ、個人でとことん楽しめるニッチさが新しい時代では重要視されているのだな、という印象です。
しかし、お気に入りを追いかけることが出来ても、新しい芸人さんについて知ることが少し難しくなっているのは否めません。時折SNSで活動しているキャストがいることもありますので、そういうところから名前を覚えていくのも面白いと思っています。実力のある、テッパンで面白い名前の知られているキャストを追いかけるのか、たまたま知ったニッチな世界のお笑いを楽しむのかはその人次第、今やお笑いも個人主義の時代なのです。